カプシエイトとは?カプサイシンとの違いは?

カプシエイトはカプサイシンと同じトウガラシの辛味成分

 近年、カプシエイトの入った健康サプリメントをよく見かけます。カプシエイトとはトウガラシの辛味成分の一つで、カプサイシンとともにトウガラシ果実内で合成される天然化学成分です。あまり実感が無いかもしれませんが、トウガラシを食べるとき、私たちはカプサイシンだけを摂取しているわけではなく、カプシエイトも同時に摂取しています。では、カプシエイトとカプサイシンにはどのような違いがあるのでしょうか?

カプシエイトとカプサイシンの化学構造はほぼ同じ

 カプシエイトはカプサイシンと名前が似ているだけではなく、上図のように化学構造も非常に類似しています。ただ、カプシエイトのベンゼン環(丸い輪の構造)と炭素鎖(長く伸びる鎖の部分)の間はエステル結合(R-C(=O)-O-R’)であるのに対し、カプサイシンはアミド結合(R-C(=O)-NH-R’)であるという点で異なります。

カプシエイトの辛味の強さはカプサイシンの1/1000

 カプシエイトとカプサイシンの最も大きな違いは、私たちが感じる辛味の強さです。一般的にカプシエイトの辛味はカプサイシンのおよそ1/1000である言われています。つまり、カプシエイトは非常に辛味の弱い辛味成分であると言えます。これは、さきほど説明したカプシエイトとカプサイシンの化学構造のわずかな違いによるものであると考えられています。

 皆さんもご存じの通り、トウガラシの辛味は甘味や苦味といった味覚によるものではなく、痛覚によるものです。カプサイシンを摂取したとき、この痛覚強度が大きいため、私たちは強い辛味を感じますが、カプシエイトを摂取したときは痛覚強度がカプサイシンを摂取した時よりも極めて小さいため、感じる辛味も弱いのです。

カプシエイトの辛味は弱いが、カプサイシンと同様の機能性をもつ

・カプサイシンの機能性ってなに?

 トウガラシを食べると、体がぽかぽかしたり、汗をかいたりすることがありますよね。これらはカプサイシンによるもので、具体的には、私たちの体内に存在するTRPV1(トリップ・ブイワン)というイオンチャネル(イオンを細胞内外へ送り込むための出入り口)がカプサイシンによって活性化されることで起こる作用であると言われています。このような発汗作用や体熱産生作用はダイエットに有用ですし、これら以外にも抗酸化作用や脂肪代謝促進作用といった様々な機能性(私たちの体や健康に良い働きをもつ性質)がカプサイシンにはあり、カプサイシンは辛味成分という一面のほか、機能性成分としての一面があります。

 しかし、非常に残念なことに、カプサイシンは体内への刺激が強いため、多量に摂取することが困難であるという難点があります。辛い物を食べた翌日に、お腹が痛くなることがあるように、粘膜を傷つけてしまうカプサイシンの過剰摂取は体に良いとは言えません。

カプシエイトは辛味は弱いがカプサイシンと同様の機能性をもつ

 カプシエイトはカプサイシンと比べて辛味が弱いのにも関わらず、先ほど述べたカプサイシンと同様の機能性があります。つまり、カプシエイトはカプサイシンの辛味なし版と言うことができ、辛味の無い機能性物質なのです。カプシエイトを摂取すると、辛いものを食べていないのにもかかわらず、体が熱くなったり、体から汗がでてきたりします。

カプシエイトは辛いものが苦手な人にとっても摂取しやすいですし、なにより、カプサイシンが体内に与えるような強い刺激がないため、たくさん取り入れられるという点で優れています。

 カプシエイトの効能については味の素株式会社が積極的に研究を進めており、研究結果について興味のある方は下記のページをご覧ください。

新種の辛くないトウガラシの新規成分「カプシエイト」の研究成果(味の素株式会社)https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/presscenter/press/detail/2009_11_02.html

まとめ

  1. カプシエイトはカプサイシンと同じトウガラシの辛味成分
  2. カプシエイトの化学構造はカプサイシンと類似しているが、辛味の強さは1/1000
  3. カプシエイトはカプサイシンと同様に機能性を有しながら、辛味が弱く多量に摂取できるため、有用である。

【参考】

・カプサイシンが引き起こす痛みの増強メカニズム −TRPV1活性化はアノクタミン1の活性化を引き起こす−https://www.nips.ac.jp/release/2015/04/_trpv1.html

https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/presscenter/press/detail/2009_11_02.html

・Novel Loss-of-function putative aminotransferase Alleles Cause Biosynthesis of Capsinoids, Nonpungent Capsaicinoid Analogues in Midly Pungent Chili Peppers (Capsicum chinense), Tanaka etal. 2009.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です