ピーマンと唐辛子の子供は辛くなる?

ピーマンと唐辛子を交配する (掛け合わせる)とその子供は絶対に辛くなる

 トウガラシもピーマンも実は同じ仲間で交配(掛け合わせ)が可能です。もし、トウガラシの花粉がピーマンのめしべに付着し、受精して得られた種子を次の年にまいたら、それらは辛味を持つのでしょうか? 

結論から述べますと、ピーマンとトウガラシを交配するとその子供は絶対に辛くなります。

 本日はなぜピーマンとトウガラシを親とする子供が辛くなってしまうのかを遺伝学的に解説したいと思います。

まずはメンデルの法則のおさらい

 トウガラシの辛味の有無に関する遺伝はメンデルの法則に従うことが知られています。でも、メンデルの法則って何?という方もいらっしゃると思いますのでその解説からはじめますね。

そんなのいらねーよという人は下記の「トウガラシの辛味形質は優性形質でピーマンの非辛味形質は劣性形質」まで読み飛ばしてください~

 メンデルの法則とは遺伝学の父であるメンデルが1865年に発見した法則で、親の形質(特徴)が子供に遺伝する際に規則性があることを示したものです。この法則は①優性の法則、②分離の法則、③独立の法則から構成されていますが、今回は独立の法則と分離の法則は使わないので省略して、①優性の法則のみ解説します。

①優性の法則:両親の形質(特徴)のうち、子供には両親のどちらか一方の形質があらわれる

 エンドウ豆を例に説明すると、「丸い種子」を持つ親と「しわをもつ種子」を持つ親を交配するとその子供はすべて「丸い種子」をもち、「丸い種子」をもつ親の形質(特徴)のみが次の世代に遺伝するというものです。このとき、次の世代にあらわれる「丸い種子」という形質(特徴は)優性形質といい、一方で次の世代にあらわれない「しわをもつ種子」は劣性形質と呼ばれます。

トウガラシの辛味形質は優性形質でピーマンの非辛味形質は劣性形質

 これまでの研究で、トウガラシの辛味形質(辛味をもつという性質)は優性形質でありピーマンの非辛味形質(辛味をもたないという性質)は劣性形質であることが分かっています。さきほど説明したメンデルの法則の優性の法則より、辛味をもつトウガラシと辛味の無いピーマンを交配して得られた次の世代の子供には優性形質、今回では「辛みをもつ」という形質があらわれます。以上のことから、トウガラシとピーマンを交配するとその次の世代では辛味が発生してしまうのです。

 ちなみに、辛味形質を支配している遺伝子についても研究が行われており、Pun1遺伝子という遺伝子が最も広く知られております。詳しく知りたいという方は下記の記事もご覧ください!

【参考】The Pun1 gene for pungency in pepper encodes a putative acyltransferase (Stewart et al. 2005)

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