【唐辛子の品種改良】種なしピーマンとは?どうやってつくるの?

種なしピーマンって何?

園芸ネット本店より引用<https://engei.net/Browse.asp?ID=147525>

 種なしピーマンとは、その名の通り、果実内に種子が全く無いピーマンのことで、横浜植木株式会社が世界で初めて開発した「タネなっぴー」という品種が有名です。

https://www.yokohamaueki.co.jp/business/seed/tanenappi/

世界初!種なしピーマン「タネナッピー」

また、日本に限らず、アメリカでも種なしピーマンの開発が行われており、これらの育成方法に関しては、それぞれ特許が取得されています。

種なしピーマンは、調理の際に種子を取り除く手間が省ける点で優れているのはもちろんのこと、果実の肥大に受粉を必要としないため、受粉がうまく行われない低温環境下や高温環境下でも安定した果実収量が得られることも、その魅力の一つです。

種なしピーマン育成に必要な「雄性不稔形質」と「単為結果形質」

唐辛子の雄性不稔花.おしべが正常に形成されていないため、受精が行われない

まず、種のない果実をつくるには、「おしべ」あるいは「めしべ」を取り除いて「受精」を回避し(種が出来ないようにするため)、さらに、その果実を肥大させる必要があります(通常の果実では、「おしべ」や「めしべ」を取り除いてしまうと果実が肥大することはありません)。

これは人工的には可能で、雄しべを切除して受粉を回避し、果実の肥大を促進する植物ホルモンを施用すれば、種無し果実を作ることができます。一方で、もし、その品種が「雄性不稔(ゆうせいふねん)形質」「単為結果(たんいけっかけ)形質」という二つの形質を併せ持つならば、上記のような処理を施さなくても自然に種無し果実をつくることが出来ます。

「雄性不稔形質」は「おしべ」あるいは「花粉」が正常に形成されない形質で、この形質をもつ個体では、自家受粉が回避され、種子もつくられません(ただ、果実は肥大しません)。一方、単為結果形質は受精の有無にかかわらず果実が肥大する形質で、この形質をもつ個体では、受粉が行われていない場合でも果実が肥大します。

この「雄性不稔形質」と「単為結果形質」を併せ持つ個体では、受精が起こらず、種がつくられないうえ、果実が単為結果によって勝手に肥大するため、結果的に種無し果実が出来るのです。

種なしピーマンの品種改良方法

 さきほど述べた通り、種なしピーマンをつくるには「雄性不稔形質」と「単為結果形質」が必要です。しかし、この二つの形質を併せ持つようなトウガラシは、種子が出来ず、子孫を残すことが出来ないため、自然界には存在していません。ただ、「雄性不稔形質」だけを持つトウガラシや「単為結果形質」だけをもつトウガラシは存在するので、これらを交配することで種なしピーマンが得られるのです。米国特許庁に登録されている種なしピーマンの育成手法を参考にすると、「雄性不稔形質」を有する母親の「めしべ」に「単為結果形質」を有する父親の「花粉」をつけることで得られた種子(子供)をまくと、完全に種子のないピーマンが出来るようです。

【参照】Seedless pepper plants <https://patents.google.com/patent/US10499578B2/en>

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