【唐辛子の不思議】鷹の爪にみられる「房成り着果形質」とは?

唐辛子果実のつき方には「房成り」と「節なり」の2種類がある

 「鷹の爪」の果実のつき方を観察すると、上写真のように、枝の先端で果実が束状になっているのが分かります。これは、いわゆる「房成り」と呼ばれる着果形質のことで、1箇所から複数の果実がついているように見えます。

一方で、上写真のように、分枝が起こる各節の脇から、1つの果実がつくタイプは、「節成り着果」と呼ばれ、「房成り着果」とは見た目が大きく異なります。

 トウガラシ全体でみると、「鷹の爪」のような「房成り着果」は少数派で、ほとんどのトウガラシが「節成り着果」であると考えられます。しかし、束のように集まった果実が魅力的な、観賞用のトウガラシにおいて「房成り着果形質」は非常に重要です。また、収穫の作業性を考慮したとき、果実の小さい唐辛子が「節成り着果」であると、収穫がかなり大変ですが、「房成り着果」の場合は、束状になっている複数の果実を一度に収穫できるため、作業がとても楽になります。

このように、「房成り着果形質」は単に見た目がきれいいうだけではなく、農業生産においても有用な形質であると言えます。

「房成り着果」は節間が極度に短縮することで生じる

これまでの研究によると、トウガラシの「房成り着果形質」は、果実がつく節と節の長さが極度に短縮することで引き起こされる形質であることが明らかにされています。

節成り着果と房成着果の違い

 「節成り着果」と「房成り着果」の違いを上の図を用いて説明すると、どちらも節の脇に果実がつくという点では同じですが、「節成り着果」では節間が長いため、果実が各節で離散して着果するのに対し、「房成り着果」では、節間が極度に短いため、あたかも一か所から、たくさんの果実がついているように見えます。房成り着果形質は、節成り着果形質を制御する遺伝子に、何らかの突然変異が生じ、誕生した形質であると考えられており、遺伝学には「房成り着果形質」は「節成り着果形質」に対して劣性であることが明らかにされています。

【参照】・Mapping and identifying candidate genes involved in the novel fasciculate inflorescence in pepper (Capsicum annuum L.) Junheng et al. 2019

・Co-ordinated regulation of flowering time, plant architecture and growth by FASCICULATE: the pepper orthologue of SELF PRUNING Elitzur et al. 2009

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