東南アジアでみられる「唐辛子の木」?

東南アジアでみられる「唐辛子の木」?

ミャンマー農村部でみられた「唐辛子の木」

 日本に住んでいて「柿の木」とか「りんごの木」は見たことがあるでしょう。では、「唐辛子の木」はどうでしょうか。おそらくほとんどの人は見たことがないのではないでしょうか?実は、東南アジアに行くと、私たちがよく見る「野菜」として植えられている唐辛子ではなく、「樹木」のような唐辛子を見ることが出来ます。本記事では東南アジアでみられる「唐辛子の木」についてご紹介したいと思います。

カンボジアやミャンマーの農村部では1家に1本「唐辛子の木」がある

カンボジア農村部でみられた「唐辛子の木」

 筆者は自身の研究で、カンボジアやミャンマーの唐辛子を調査したことがあるのですが、農村部の家々に向かうと、必ずといってもいいほど、写真のような「唐辛子の木」があります。現地の人々は、庭先に自家消費用のトウガラシを植えており、日々の家庭料理に使用する分を必要に応じて、「唐辛子の木」から収穫しているようです。

「唐辛子の木」の正体は数年間栽培され続けたトウガラシ

カンボジア農村部でみられた「唐辛子の木」

 日本に住んでいると、トウガラシは1年で枯れてしまうというイメージがあります。しかし、気温条件さえ整えば、数年にわたってトウガラシは栽培することが可能です。そして、栽培年数を経るごとにトウガラシの茎が「木化」し、まるで樹木のような形態を示します。これが東南アジアでみられた「唐辛子の木」の正体です。

 カンボジアやミャンマーでは、家庭菜園レベルであれば、1年に1度のペースでトウガラシの植え替えが行われることはなく、基本的に数年間は「植えっぱなし」です。このため、現地でみられるトウガラシの茎は茶色く木化し、植物体も比較的大きく、木のような見た目をしています。ただ、トウガラシ自体は分類学上、草本植物であるため、厳密には「唐辛子の木」を「樹木」とは言えないと思います。

「唐辛子の木」は商業栽培で実用化できないの?

「唐辛子の木」の枝に実をつけるトウガラシ

 もし、日本が温暖になれば「唐辛子の木」を栽培することが出来るでしょう。さらに、「唐辛子の木」を商業栽培で利用することができれば、基本的にトウガラシを「植えっぱなし」にしておけば良いため、毎年植え替える手間がなくなり、便利かもしれません。しかし、筆者のカンボジアやミャンマーでの調査では、2年目以降の「唐辛子の木」の収穫量が減少するとの意見があることや、「唐辛子の木」の多くが不治の病である「ウイルス病」に感染していることが分かっているため「唐辛子の木」を実用化するには課題が多く、簡単ではないだろうというのが本音です。

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